
様よりお借りいたしました。
3:お別れネタ
昔、お別れネタというのは、一緒に、事故でも心中でも事件でも、とにかく同じ時に死んでしまうとか、片方が何らかの理由で死んでしまったので後追いをするとか、そういうものを言うのかなと思っていました。別れているようで一緒になっています、というような。
ちなみにオカルトな雑誌か何かで見たところによると、たとえほとんど同じ時刻に亡くなるような場合であったとしても、心中とか自殺とかは、あの世で一緒になんかなれないんだそうで。ロミオとジュリエットは一緒になれないそうです。オカルト雑誌の正解がどこにあるか知らないですけれど。
別れることで成長して次の恋に前向きになっていく、という展開もいいなと思います。ただ、そういうのは耽美の時代のものとはそりが合わないのではないかな、とでもいうか。BLの時代に入ってからのお話のほうが、演歌的恋愛ではなくなっているので、一人の人と思いが遂げられぬからといって死ぬほどのことはないんだよね、というからりとした感じとでも言いましょうか。
ナマモノばかりに手を出していると、現実世界に起こるおめでたい事柄がおめでたくないので、別れの場面なんかを考えてみたりします。その昔、ポエムを数編だけ書いた時には、奥さんを裏切って関係を続ける二人、みたいなものを書きましたが、その次辺りには、穏やかにお別れして、昼下がりのスーパーで再会してもおだやかに挨拶するだけ、みたいなものを書いたのですが、時折、妙な倫理観のせいで、奥さんと彼氏とを両立させることをしないほうがいいでしょうと思い、ナマモノネタを空想することすら封印してしまうことがあって、私と、理想のカップリングのお別れ、となります。
といったって、数年経ったらもう、オッサンになってて、子供すら生まれているというのに、また萌えなおして空想せざるを得ない、という気持ちになる場合の人もいなくはないんではあるんですけども、熱心ではなくなります。
普通に、やおいに出来る以外の部分でも好き、というのでなかったら、再燃する萌えなどないのではあるのだけれども、再燃する萌え以前の萌えの時みたいに、女子高生がグッズを集めるかの如く、保存用と観賞用を買いますよ、円盤は、みたいなことはしなくなります。ある意味これが一番に私の中にあるお別れネタなのかもしれません。
♪お別れするより死にたいわ、という歌が、これは私のような年寄りでさえリアルには知らないですけども、やはり私でさえリアタイ視聴できるものではなかった昔の、ブロマンスというよりもう少し危うい地点にいる感じの兄貴と弟分のドラマで、兄貴分が、弟分の自分へのべったりぶりに対しえ、前述の曲か、同じ歌手の別の曲のタイトルを出していたのでしたけども、そのドラマも最終回に悲しいお別れがあって、しばらくどんよりした気分になったものでしたけれども、どこかで、この物凄く強く熱いブロマンス的関係は、綺麗な何かに封じ込められた、という気持ちがしてしまうところもあって、私は多分、昔の時代のJune的なお別れのほうが、いかにもやおいだ、と思うタイプなんだと思います。そのドラマでは、別に一緒に死んだりしないけども、多分残されたほうはただもう生きていくんだと思うけど。