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老腐人の友

スキルもなければ趣味の幅も狭いけれど 35年以上腐っているアラフィフ腐女子です。

本日の老腐女子:3 思い出語り

腐女子であるということは、中学に入って腐女子仲間が出来てから後は、学生時代はまったく隠していなかったです。

 一番の友人と言えるカテゴリーの人々以外には、それほど変態のようなことを言っていたわけでもないんだけれども、でも普通にみんなが、あいつホモ好きらしいよ、と言っているような具合ではありました。
 
 そもそも割合と変わり者とされる位置にいて、それでいやな思いをしたこともないままに自然発生的に腐女子的嗜好が沸き起こってきて、というようなところがあって、最初こそ、一番に仲の良かった子へ初めて打ち明けたやおい的妄想の柔らかいやつに、え!?という顔をされてしまったので、しばらくひそやかな趣味でしかなかったですけれども、中学で仲間を見つけ、というか、自分の中に湧いて出た変な趣味が、実はきちんとした形で沢山の人が楽しんでいる趣味であることが分かって、しかも友人たちも同じものを共有できるという嬉しさで、全然、隠す気持ちになどならなかったものでした。

若い日の屈折で、大多数と違う人であることを強調したがるような部分もあったのかもしれません。当時は、今のようにBL漫画の売り場がせんようにあったりせず、というか、BLや腐女子という言葉もなかったのです。 

近所には『June』を置く本屋がひとつしかなくて、 そこの爺さんと言える年齢の店主は、買うたびにちょっと嫌味みたいなことを言うので、とても後ろめたいものなんだろうね、っていう気分にはなりました。しかしノーテンキなので、通販サイトもない時代ですし、電車に乗って大きな街に出ればもう少し大勢に紛れて買うことができることは分かっていたものの、年中行事だよね、と思いながら爺さんの店に行っていたものでした。

 そこから少し長じて社会人になったかまだ学生だったかは忘れましたけれど、友人と一緒に東京の、新宿か池袋かの本屋へ行った際に、その当時はまだ珍しかったBLコミックスコーナーが本棚一つ分ほどあることを発見したことがありました。

 二人でフフフ、と笑いあっていたところ、前から歩いて来た、その当時の私たちと同じぐらいの年齢の女性がものすごい形相でガンたれしながら横を通り過ぎて、これはきっと、その人はBLというか、当時なのでjunestであって、私たちがその趣味を馬鹿にして笑っていると勘違いをして、自分の愛するものをけなす女ども、と思ったのであろうと友人と話したんでしたが、本当に昔は、自分は腐女子です、ということは結構重くて大きくて後ろ暗くて、でも守らねばならぬ聖域、というようなものであったんではありました。

いまやどこの本屋にだってBLコーナーはあって、というか、先の件があった前後ぐらいに、腐女子向け雑誌のバブルみたいなものが起こりました。

続く
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